当院における手術について

  当たり前のことですが、人と同じように動物にも“感情”があり、私たちと同じ“生命”を持っています。家の中にいるワンちゃんも、外で寝ているネコちゃんもみんな同じ“生命”です。手術を行う際、動物の場合“術前検査・・・”というと意外にも驚かれる方が多いのが事実です。医療がそうであるように、獣医領域においても100%安全な麻酔はありません。ゆえに死亡する可能性も0%ではありません。当院ではそういった危険性を少しでも最小限にするため、避妊、去勢手術の際でも術前検査(血液検査やレントゲン検査など)を行うようにしています。手術には術前検査のほか点滴用静脈針(留置針)設置や抗生剤、鎮痛剤、止血剤等の投薬。手術室の準備、手術器具の滅菌、手術後の動物の管理などたくさんの過程があります。そのため当院では一日に複数回の手術は行っておりません。人それぞれ色々な考え方があると思います。病院の取り組み方もそれぞれ異なります。一番大切なのは、その子の“生命 (いのち)”。その“生命”を守るために最善を尽くすこと。きちんとすること。それが私たちが出来る患者さんへの誠意。そんな思いで診療を行っています。

獣医師 津山慎吾

当院の手術は・・・  

手術前の検査

  

  1. 不妊手術については予約制となります。そのほかの手術については診察の際に日程を決定いたします。

  2. 手術前には手術の内容、当日までの自宅における健康管理、おおよその費用について説明いたします。

  3. 手術部位については、術前に詳細な検査を行います(輸血が必要とされる場合は血液型判定検査なども行います)。

  4. 不妊手術など健康なワンちゃんネコちゃんについても、安全に手術が行えるよう血液検査やレントゲン検査といった術前検査 (料金は一律)を行います。

手術の準備 

 

  1. 点滴や注射をする血管を確保するため静脈内留置針を装着します。

  2. 手術中に麻酔が安全に行えるように、血圧計や心電図、血中酸素濃度、呼吸モニターなどモニタリングします。

  3. 手術部位の毛刈りや洗浄、消毒などを行います。

  4. 麻酔法の選択には色々ありますが、ほとんどの手術が気管チューブを挿管した吸入麻酔を用いています。

手術開始 

  

  1. 手術は、執刀医、手術助手、麻酔係などチームで努めます。

  2. 当院で最も多い手術は不妊手術と腫瘍の摘出手術です。

  3. ペットが手術後も“痛み”が最小限に済むようペインコントロールを行っております。

手術終了、退院

      

  1. 入院期間はなるべく短期間になるように努めていますが、安心して退院できるまでは一定期間入院となります。その間も看護に努めています。避妊手術では入院1日、去勢手術では当日退院できるよう努めています。

  2. 一定期間入院し術後の急変事故の可能性も少なく、自宅管理が可能と判断した場合退院となります。

  3. 退院の際は、自宅における管理方法を説明し、必要に応じて緊急用電話番号をお伝えしています。

  4. 腫瘍などの手術をした際は、術後肺転移などの可能性があるため定期検診が必要となります。また場合によっては内科療法や化学療法なども行います。

  5. 当院において不可能な手術と判断した場合は、大学病院や専門医の診察を勧めています。

不妊手術について

 ペットの不妊手術については、多種多様な考えがあります。人は自身に置き換えて考えがちですが、ここでは獣医学的知見から不妊手術の必要性についてお話いたします。将来この仔の赤ちゃんが欲しいというお考えの人はもちろん不妊手術の必要はありませんが、そういった繁殖の希望がない場合は不妊手術を考える機会があると思います。

 近年、犬の乳腺腫瘍の発生率は全腫瘍の52%と最も多発する腫瘍となっています。この乳腺腫瘍の発生は、初めての発情出血までに避妊手術を受けることで0.5%以下と格段に低下させることが出来ます。 また子宮蓄膿症、前立腺がんなども致命的な疾患です。このような病気の予防には不妊手術が最善とされています。

 手術の時期は、個体差にもよりますがおおよそ生後6ヶ月前後が最適でしょう。体力も生理的機能もしっかりし、手術後の回復も早期になります。

避妊手術を行った場合(メス)

◆将来予想される子宮疾患、乳癌の予防になります。最近では分離不安症の予防にもなるといわれています。

◆子猫(子犬)を生まなくなります。 当然里親探しといった苦労や迷い猫・犬の存在が少なくなります。

◆発情が無くなりますので、近所に迷惑をかけたり、うるさく鳴いたり、落ち着きが無くなったりしなくなります。

◆雄がいっぱい寄ってきて騒ぐことがなくなります。

◆野良猫・野良犬に餌を与えている方には合理的・経済的です。

◆性格がおとなしくなるので、近所迷惑になりません。

◆飼うことが出来ない野良猫・犬を減らす事が出来ます。

 

去勢手術を行った場合(オス)

◆発情による連続したストレスを防止する事が出来ます。

◆将来予想される前立腺肥大、肛門周囲腺腫、癌といった病気の予防になります。

◆自分のなわばりであることを示す為の排尿(スプレー行為)をかける事がなくなります。

◆雄同士の勢力争いで喧嘩をする事がなくなり、怪我をすることも激減します。

◆ご近所の雌猫に子を産ませて、問題を起こす事がなくなります。

◆雌猫を求めて家出し、そのまま行方不明になる事がなくなります。

 

 
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